「は? はい?」

「そろそろ求と呼んでくれ。
 お前も加倉井になるんだから」

「え、は、はい……
 えーと」
となかなか『も』の字がでない汐音に求がスマホをふたつ渡してきた。

 汐音のスマホともうひとつは見覚えのないスマホだ。

「あいつらに頼んで、お前用にゲームを作ってもらった」

「えっ?」

「いや、例の今度リリースされるゲームなんだが。
 俺ルートしか選べないようになっている」

 いや、なんでまた……と汐音が思っていると、
「他の男をとっかえひっかえされても困るしな」
と求は言う。

 いや、ゲームですよ、これ……。