……何故、突然、私はディスられているのでしょう。

 まだ加倉井さんにはおむすびくらいしか食べてもらったことないのに。

 何故、私の料理がまずいことが知られているのでしょう、
と動揺しながら、汐音が求からのメッセージを開けると、

「結婚が決まった」
と書いてあった。

 ええっ!?
 加倉井さんっ、結婚されるんですかっ?

 なんか短い夢だったな、とおのれの想いもまだはっきり自覚しないまま、汐音は思ったが。

 下を読むと、
「社長キャラとは結婚まで書くみたいだぞ」
と書いてあった。

 ……恋愛アプリの話ですか。

 びっくりさせないでくださいよ。

 でも……、

 そうか。
 あの世界では、おにぎり娘と社長は結婚するんですね、とちょっと機嫌良くなり、汐音はエレベーターを降りる。

 先に上がった父母が部長と話していた。

 あっ、と父母がこちらを見て赤くなったとき、部長は、じゃあ、と行ってしまった。