「彼氏かどうかは知らないけど。
 好きな人は居るんだね」

「えっ、なんでですか?」
と汐音が言うと、父母はまた笑う。

「でもまあ、僕もまだ諦めてないから。
 じゃあね」
と言った父母は階段で上がることにしたらしく、居なくなってしまった。