ぐっと堪えながら、下を向くと。



バサッと頭から何かをかけられた。

…よく見るとそれは、ジャージで。

あのとき、みたい。


「…心春は間違ってなかったよ。


飲み物買ってくるから、それ預かってて。

あ、体育で来てないから臭くないから」


とちょっと早口で言うと。
涼くんは私の頭を撫で「それ被ってたら見えないよ」とだけ言い残していった。


静かに、涙がこぼれ落ちる。

止めたいのに、止められない。


壁に寄りかかり、ジャージで周りから顔も見えなくなっているから、きっと周りからは疲れて寝ているようにしか見えない。

あえてここに座らせたのかと、涼くんの優しさに、また胸が熱くなる。