教室を出ると、廊下の窓側に寄りかかりスマホを手にして、爽くんが立っていた。
私に気づくと、にこっと微笑み手招きをする。
「涼とすみれは掃除当番だから、ちょっと待っててって。」
そう、にこにこしながら言う。
…雰囲気は涼くんとは全然違う。
爽くんのほうが柔らかく、人当たりがいい感じ。
同じ顔でも、表情で全然別人だな。
今ならもう迷わないでわかるかも。
というか、爽くんは両頬にえくぼがある…。
……え!あ!もしかして。
あのときの瀬川くんって…!
「体育のとき、涼と何話してた?」
爽くんの言葉に、はっとする。