思わず私も立ち上がり、少し見上げると。 瀬川兄弟が揃って立っている。 本当にそっくり。 大きめな奥二重の瞳。 スッとした鼻筋。 あのときは正面からよく見えなかったけど、こうして見ると、整った顔をしている。 確実に格好いい、そのふたりに、じっと見られると落ち着かない。 つんつんとすみれちゃんに、横腹をつつかれる。 「…あ、の。昨日はジャージありがとう。」 と、ジャージが入った袋を差し出した。