全部を話終えたところで、すみれちゃんはうーんと唸った。


「それは……ふたりに聞かなきゃどっちかわからないね」

と苦笑い。

「だよね、それはそうだよね」


本人に聞けって話だよね。
でもなんだか、ちょっと恥ずかしくって。
ロッカーや机に返しちゃおうかと思っていたけど、どっちかわからなければ、それは不可能だ。




「でも、どっちがどっちかはわかるよ」とふたりを指差しながら、すみれちゃんはニッと笑った。



「大口開けて笑ってるほうが兄の爽(そう)で、腕組みなからたまに笑ってるのが弟の涼(りょう)」

そっくりだけど、性格は全然違うの、と教えてくれる。