「あった、ここだここ」


 私の前にノートを突き出したむち君は、ごつごつした長い指でお兄ちゃんが書いた文字を指さしている。



 文字に目を送り。

 焦点を絞り。

 一文字ずつ脳に届け……
 


 ひゃっ??

 何、このメッセージ??

 本当にお兄ちゃんが書いたの??



 明らかに、お兄ちゃんの字。

 それなのに、まだ私宛てだって信じられなくて。

 私の瞳はノートにくぎ付けのまま。

 でも体中、身震いが止まらない。