「そのメッセージ、彼女に向けたものじゃないから」


「じゃあ誰に?」


「ジョーからオマエに」



 えっ?

 私??




「ノートを開いてみろ」


 むち君の言葉が全く理解できなくて

 
「青空、キレイだなぁ~」


 ノートを胸に抱き、全然関係ない空を見つめてしまう。




「何? 現実逃避中?」


 そういうんじゃ……


「オマエがボケボケしすぎててイライラする。やっぱそのノート、俺によこせ!」


 むち君はフェンスから身を乗り出すように

「空なんか見てる場合かよ!」と、勢いよくノートを奪いとった。



 私の脳は相変わらずボケボケで、ペラペラとノートをめくるむち君をぼーっと見つめることしかできない。