大地君は自転車のスタンドを立てると、私の正面に立った。

 笑みの一切ない真剣な表情。

 私の体まで緊張で固まってしまう。



「望愛ちゃん、俺がパティシエになったら一緒にケーキ屋さんを手伝って」


「私も?」


「そしたら毎日、望愛ちゃんの大好きなモンブランを食べさせてあげるから」



 強い意志をこめた瞳を光らせ

 真っ白な歯を見せて、ニカッと笑った大地君


「俺のお嫁さんになってってことだからね」


 照れたように頭の後ろをかいているけれど……


 
 おっ、お嫁さん??

 今までとは違う熱のこもった告白に、私の心がドクンと大きく波打ってしまう。