「お兄ちゃんの部屋からね、星羅さんを大好きだった証拠品がこれでもかってほど出てきたんだよ」


 ノートの落書きだけじゃない。

 星羅さんの可愛さを綴った日記帳とか。

 映画館や遊園地のチケットの半券まで、デート記念にスクラップしてあって。


 片付け苦手なお兄ちゃんなの、星羅さんのこととなるとマメだったんだねって驚いちゃった。



「姉さんね、最近すっごく良い顔で笑うようになったんだ」


「それは良かったね」



 星羅さんの笑顔は、お兄ちゃんが惚れるのもわかるくらいおちゃめで可愛いから。




「望愛ちゃんのお陰だね、本当にありがとう」


「そんなそんなありがとうだなんて、私は何もしてないよ」


「ううん、ぜ~んぶ望愛ちゃんのおかげなの」