その後、笑いがおさまった大地君は
『GW・沼探し放浪』の実体験を、話し盛りすぎぐらいオーバーに語りだしたんだ。
私もついつい噴出さずにはいられないほどの、爆笑トーク。
二人の大爆笑の波がおさまったところで、私の家に到着。
大地君は自転車のハンドルを握ったまま。
凛とした目でまっすぐ私を見つめてきた。
オレンジ色の夕日を、浴びているせいかな?
笑みの消えた大地君の顔は、少し大人っぽく見える。
「望愛ちゃん、姉さんのことありがとね」
「えっ?」
「この前譲さんの部屋で、姉さんと宝探しをしてくれたんでしょ?」
そう。
GW中に、星羅さんは初めて私の家に来た。
初めは私も星羅さんも、お互いどう接して良いかわからずソワソワ。
無言のままお兄ちゃんのノートを、ペラペラめくっていただけだったけれど。
お兄ちゃんが残してくれた宝物を見つければ見つけるほど、二人のわだかまりが薄らいでいって。
星羅さんが帰るころには、お兄ちゃんの思い出話を笑って話せる仲にまで発展。
『望愛ちゃんのこと、妹みたいに溺愛したいんだけどいいかな?』
聖羅さんが優しく抱きしめてくれたから、私ってば、嬉しすぎて号泣しちゃった。