「望愛ちゃんが夢に出る。今夜絶対に出る。夢の中で笑い死にそう俺、アハハハハ」



 もう~!

 自転車と社交ダンスでも踊ってるみたいに右に左に笑い傾く大地君なんて、放っておこう。


「ヤバイ!ヤバイ!」と笑い続ける大地君を置いて、スタスタ歩きだした私を


「望愛ちゃん、待ってよ~」


 大地君が自転車を押しながら、追い駆けてきた。




「望愛ちゃん、怒った?」


「怒ってない。でも私のことを笑いすぎだからね」


「それは望愛ちゃんが、僕の想像の上を行く可愛さを振りまくからでしょ?」



 雑な褒め言葉でごまかそうとしているでしょ?

 そういうところまで、お兄ちゃんそっくり。