「私……お葬式で望愛ちゃんを叩いて……今日だって……酷いことをたくさんして……」


「それは星羅さんのせいじゃないですから」


「でも……」


「私もお兄ちゃんを追い出しちゃった罪を背負いきれなくなると、等身大枕のラビー王子のお腹、ポコポコ叩いちゃったりするんです」


「……」


「これお兄ちゃんに内緒にしてください。ラビー王子に暴力をふるうなって怒られちゃう。って、空から見られちゃってるかな?」



 目を真っ赤に染めているにもかかわらず、重ぐるしい空気を一掃するようにエへへと笑う望愛ちゃん。


 あ~もう!
 
 譲さんも望愛ちゃんも、よどんだ空気を春風で一掃する術でも身につけてるの?


 敵わないな、本当に。


 今の笑顔で望愛ちゃんのこと、大好きになっちゃったじゃん!!