「これって……?」


「むち君が前に、お兄ちゃんが授業中にノートに落書きばかりしてるって言ってたのを思い出して。昨日、お兄ちゃんの部屋に入ってみたんです」



「ずっとお兄ちゃんの部屋に入れずにいたんですけど……」と、悲し気に瞳を光らせた望愛ちゃんは、自分を奮い立たせるように言葉を紡いでいく。



「そこで見つけちゃいました。お兄ちゃんから星羅さんへのメッセージです」



 目に涙を浮かべたまままぶたを開いた姉さんは、歴史のノートをめくりだした。


 何が書いてあるんだろう?

 俺も気になって覗かずにはいられない。