望愛ちゃんはタオルケットで全身を包んだまま部屋の隅に行くと、1冊のノートを抱えて戻ってきた。

 床に伏せたまま泣きじゃくる姉さんの前にしゃがみ込み、差し出している。


「星羅さん、このノートを見てもらえませんか?」




 体を起こした姉さんが受け取ったノートの表紙には


 【歴史   優木 譲】


 ささっと書きましたって感じの走り文字が。