「望愛ちゃん……傷つけてごめん……」


 俺はベッドに縛られたままの望愛ちゃんを解放した。


「俺たちのせいで譲さんが亡くなったことが苦しくて……罪を抱えられなくて……逃げたくて……」


 大粒の涙を流た俺が望愛ちゃんにタオルケットをかけてあげた時、望愛ちゃんが女神みたいに優しく微笑んだ。



「星羅さんと大地君のせいじゃないよ。私のせいだからね」


「違う……俺たちが……」


「お兄ちゃん、二人のことが大好きだったんだよ。ずっと笑ってて欲しいって絶対に思ってるから」


「でも俺たちの罪は……」


「星羅さんと大地君の後悔、全部、私に背負わせてくれないかな?」


 ……え?


「私、一人で背負いたいの」


 一人で背負う?


「そうすればお兄ちゃんの大事な人は、誰も悲しまずに済むでしょ?」