「譲さんが妹を大事に思ってたって、姉さんが一番よくわかってるでしょ!」


「……うっ」


「望愛ちゃんを追い詰めて、譲さんが悲しんでるよ」


「譲君の…ことは……私が一番…よく…わかってる…けど……」



「姉さんは譲さんに嫌われてもいいの?!」


「…………えっ?」



 俺を見つめたまま、これでもかっていうほど目を見開いた姉さんは。



「それは……嫌……」


 望愛ちゃんへの怒りの糸がプツッと切れ


「嫌われるなんて……譲君に…嫌われる…なんて……絶対に嫌ぁぁぁぁぁ!!」


 泣きわめきながら床に崩れこんだ。