俺は姉さんの腕をつかみ、望愛ちゃんから引き離す。

 姉さんの瞳をまっすぐ見つめた。


 
「譲さんが車にはねられたのは、俺たちが『店の近くの公園で、待ってて』ってメッセージを送ったからでしょ!」


「違う……」


「違わない!」


「私も大地も、何も悪くない……」


「悪くないと思いたいだけでしょ?!」



 俺たちの送ったたった一通のメッセージがなければ、譲さんは公園に向かっていなくて車にも引かれなかった。

 その事実は、俺ら姉弟が一生背負わなければいけない大罪なんだよ。