姉さんは大粒の涙をこぼし、望愛ちゃんの前にしゃがみ込み


「あんたが譲君を家から追い出さなければ!!」


 座った状態でベッドに縛られたままの望愛ちゃんの髪を掴み


「譲君は死なずに済んだのに!!」


 泣き声と怒り声を張り上げ、望愛ちゃんの髪を引っ張っている。




 左右に頭を振り回せれている望愛ちゃんは、痛みを堪えるように目をつぶるだけ。

 抵抗なんてしない。




「姉さん、やめてよ!」



 もうやめようよ。

 望愛ちゃんに僕らの罪をなすりつけるのは!