「写真なんて取らないで!」
「大丈夫大丈夫。望愛ちゃん、可愛いよ」
大地君に迫られるたぎ、私は後ずさりをして。
「お願い……やめてください……」
「大好きなお兄さんのために、何ができるか考えてごらん」
不気味な笑みでさらに迫られ、ついに私の背中は壁にぶつかってしまいました。
もう逃げ場なんてない。
「この部屋に貼る望愛ちゃんの写真は、たった一枚だけ」
「たった一枚でも、写真に残るのは嫌だよ」
「俺ね、譲さんはまだ成仏できなくてこの世界にいるって思ってるんだ」
「えっ?」
「この部屋にいなくても譲さんが望愛ちゃんの姫姿が見れるように、SNSで拡散してあげる」
私のこの姿を、ネットにバラまくつもりなの?
「俺って優しいでしょ?」