お兄ちゃんは本当にすごい人だったと思う。


 普段はおちゃらけていて。

 いじったりいじられたり。

 友達の中心でケラケラ笑ってる、単細胞みたいな人。

 それなのにここぞという時は、瞳に凛とした炎が灯る。


 他人のためにがむしゃらになって。

 火の粉が自分に降りかかってきても、平気な顔をして。

 大事な人の心を、必死に守ろうと戦ってくれるんだ。


 私もそういうお兄ちゃんを尊敬していてたし、何度も助けられた。

 本当に大好きだったよ。