「望愛ちゃんって、頭大丈夫?」


 えっ?


「俺が譲さんを演じてるって、なんで気づかないかなぁ?」


 ……演じる?


「優しくて、明るくて、ユーモラスで、うさラビー好き。
 そんな人が譲さん以外に存在するって、本気で信じてたの?」


「……」


「精神科を紹介してあげた方が良いかもって、望愛ちゃんのこと心配しちゃったよ、俺」



 大地君は冗談を言っているようで、でも目は笑ってなくて、地を這うゾンビ声で。


 今までの大地君との違いに、恐怖で私の肩がブルブル震えて止まらない。