ぜんぶ大きらい。


毎日思っていることを再確認にするように心のなかで唱える。

だけど行動はそれに伴ってない。


なにを、しているんだろう。



「……くなよ」



なんて言ってんの?なんの夢を見てんの?なんで夢にあたしが登場してんの?



よく聴こえない言葉をもらうみたいに、そっと、そのくちびるに自分のそれを重ねた。


だって成咲があたしの名前なんて呼ぶからいけないんだよ。

メッセージが来てからすぐ来たのに寝てるし、ぜんぜん起きないのがいけないんだよ。


ねえ、今起きたらゆるさない。



――― ガラッ


ドアが開く音がして咄嗟に成咲から離れる。



「平気?成、とーか」


あ…弥生の声だ。

おそるおそる成咲の顔を見るとまだすやすやと目を閉じている。


「……っ、っ」


あたし、今コイツになにした?



顔や目が熱くなる。自分が信じられない。きっと嘘だ。夢かもしれない。だっておかしいじゃない。きらいなのに、きらいなのにどうして。


「とーか?」


カーテンが開く。弥生がもっと早く来てくれてたら意味の解らない自分のあんな行動と遭遇することはなかったのに。