「……あっ、もしもし…、」

『もしもし、……式、終わった?』

「はいっ、」


飛雅くんは

んじゃあ迎えに行くな、と

電話越しでもわかるくらい優しい声で言った。


『また裏門の所で待ってて、』

「わかりました、」

『………七瀬、』

「は、はい、」

『卒業、おめでとう。』


ひと言、それだけ言うと

じゃあ後でな、と電話は切れた。