「七瀬せっかく壇上で卒業証書もらうのにねー、」

「し、しょうがないよ。騒ぎになったら困るもん。」


私が言うと

むーー、と言いながら、光希は唇を尖らせた。


『ふっ…、なんで光希がそんな顔してんだよ笑 七瀬がすんならわかるけどさ、』

「だってだってー、光希だったら見に来てほしーもん。」

『まぁ…、そりゃあそーかもしんねーけど…、』


飛雅くんに見てもらいたかった

その気持ちがないって言ったら嘘になるけれど

今以上を求めるなんて、とんだ贅沢だなって思う自分もいて

私は少し複雑な気持ちだった。