『…っと、ほら、着いたぞ、』

「あっ…、はいっ、」


いつもの様に学校の裏門に車を停めた飛雅くんは

隣に座る私の顔を覗き込んで、ふっと笑った。


『こりゃあ、帰る頃には目ぇ真っ赤だな、』

「なっ…、き、今日は泣きませんっ、」

『そうだなー。…泣くんなら、俺が隣にいる時に、な。』


行ってこい、と私の頭を軽く撫でて

飛雅くんはちゅ、と短いキスをした。