「ルルーティカ様」

 ルルは、ふわりとした浮遊感に包まれた。
 目を開くと、ノアが両腕で抱き上げてくれていた。

「もう大丈夫ですよ」

 囁かれた言葉に頷いて、首元に腕を回す。
 ノアは、応えるように抱く腕に力を込めて歩き出した。

 しんがりのアンジェラが睨みつけると、ジュリオは渇いた笑いを浮かべて、長い前髪を払った。

「王女の騎士っていうのは、過保護な連中のあつまりなんだね」