世の中は不公平だ。


子供の頃から、漠然とそう思っていた。

幸せになれる人とそうでない人、努力が報われる人とそうでない人。運が良い人とそうでない人。

私はどちらかと言えばいつも後者の方で、どうしても上手くいかないことの方が多かった。


自分の考え方次第だとか、私が高望みし過ぎているだけなんだと言い聞かせ続けてもみたけれど。


それでも、この辛さが無くなることはなくて。




「(私は、この世に向いていない)」



絵本の中のお姫様のように、辛い思いをしても前を向いて一生懸命生きていれば報われる。

そんなことは有り得ないんだ、私はきっとこれから先も辛いままで一生を過ごすんだ。

ずっとずっと耐えてきた、この苦しみから逃れられない絶望感は、私の限界を超えていて。


これ以上幸福な未来を信じて生きていくのは、限界だった。