チューハイ。
ワイン。
つまみに、デザート。
お菓子もたっぷり。

こんなに食べたら豚になるわよと笑いながら、大きな袋を抱えた私と麗が平石家の玄関をくぐる。


「おばさま。お邪魔しまーす」
私よりも付き合いの長い麗は、慣れた様子で玄関を上がり、私の部屋に向かう。

「麗ちゃん。ママには言って来たの?」
後ろからおばさまの心配そうな声が心配するけれど、
「ママは地方公演で今月は帰らないんです」
「そう。でも、お家には連絡なさい」
「はーい」


「琴子、借りるね」

いつの間にか私のスウェットを引っ張り出してきて、着替えだす麗。
本当にマイペースなんだから。
私も部屋着に着替え、2人で小さなテーブルに食べ物を並べる。

「カンパーイ」
さあ、宴の始まりだ。