午後7時。
いかにも高そうなお店に、私は通勤着のまま入った。
さすがに高級店というか、いささか場違いな私の姿を気にする様子もなく、予約された個室へと案内してくれる。
「琴子さん。急に呼び出してごめんなさいね」
すでに席についていた美優さんが、にこやかに迎えてくれた。
「すみません。遅くなりました」
「いいのよ。私たちも今来たところだから」
見ると、美優さんの他にもう1人男性が座っている。
「あの、こちらは?」
さすがに気になって尋ねた。
「こちら、木下大地さん。親しい友人なの。同席してもかまわないかしら?」
「え、ええ」
としか答えようがない。
美優さんと私、そして大地さんの3人でとても美味しいイタリアンをコースで頂いた。
途中何度かワインを勧められ、断わる事も出来ずに飲み続けた。
「美優さん」
かなりお酒が入り、これ以上後ではまともな話が出来ないと感じた私は、自分から口火を切った。
「なに?」
と、私を見る美優さん。
「今日呼ばれたのは賢介さんの事ですよね?」
酔っぱらう前に話を聞かないことには、何しに来たのだかわからない。
「ええ、そうね」
持っていたグラスを置いた美優さん。
「多分、美優さんは誤解をしていらっしゃるんだと思います。私は奥様、いえ、賢介さんのお母様と知り合いなだけです。事情があって、今はお宅においていただいていますけれど、それも一時的な事と思っています」
「本当に?」
鋭い視線が私に向けられる。
「はい。美優さんが心配されるような関係ではありません」
フフフ。
笑顔になった美優さん。
「そう。安心したわ。同居しているって聞いて心配になったのよ」
ごめんなさいねと、何度も謝ってくれた。
「いいんです。誤解させた私も悪いんですから」
私も謝り、食事の終わりを見計らって席を立った。
いかにも高そうなお店に、私は通勤着のまま入った。
さすがに高級店というか、いささか場違いな私の姿を気にする様子もなく、予約された個室へと案内してくれる。
「琴子さん。急に呼び出してごめんなさいね」
すでに席についていた美優さんが、にこやかに迎えてくれた。
「すみません。遅くなりました」
「いいのよ。私たちも今来たところだから」
見ると、美優さんの他にもう1人男性が座っている。
「あの、こちらは?」
さすがに気になって尋ねた。
「こちら、木下大地さん。親しい友人なの。同席してもかまわないかしら?」
「え、ええ」
としか答えようがない。
美優さんと私、そして大地さんの3人でとても美味しいイタリアンをコースで頂いた。
途中何度かワインを勧められ、断わる事も出来ずに飲み続けた。
「美優さん」
かなりお酒が入り、これ以上後ではまともな話が出来ないと感じた私は、自分から口火を切った。
「なに?」
と、私を見る美優さん。
「今日呼ばれたのは賢介さんの事ですよね?」
酔っぱらう前に話を聞かないことには、何しに来たのだかわからない。
「ええ、そうね」
持っていたグラスを置いた美優さん。
「多分、美優さんは誤解をしていらっしゃるんだと思います。私は奥様、いえ、賢介さんのお母様と知り合いなだけです。事情があって、今はお宅においていただいていますけれど、それも一時的な事と思っています」
「本当に?」
鋭い視線が私に向けられる。
「はい。美優さんが心配されるような関係ではありません」
フフフ。
笑顔になった美優さん。
「そう。安心したわ。同居しているって聞いて心配になったのよ」
ごめんなさいねと、何度も謝ってくれた。
「いいんです。誤解させた私も悪いんですから」
私も謝り、食事の終わりを見計らって席を立った。