「遠足、どこに行くんだろ……。去年はユニバに行ったって先輩言ってたよ」

私がそう言うと、「あのさ!」と桜河くんが顔を真っ赤にしながら言う。

「よかったらさ、遠足の時、一緒に回らない?あっ、もちろん僕と桃ちゃんだけじゃなくて友達も一緒に!」

突然のお誘いに驚いてしまう。好きな人にそう言われて断る理由なんてない。

「もちろんいいよ!友達に言っておくね」

私がドキドキしながら言うと、「ありがとう」と桜河くんは微笑む。今度は可愛いと言うよりどこかかっこいい表情。何だかズルい。

「お〜い、桃ちゃん!おはよ〜!」

「あれ?何で桜河と登校してるの〜?」

「やっほ〜!一緒に行こ!」

二人で顔を真っ赤にしている中、私の友達に声をかけられてお互い我に帰る。友達にからかわれて「やめてよ〜!」と慌てて顔が赤いのを誤魔化した。

遠足、とっても楽しみだな……。



遠足は、山の中にある村に行くことになった。村と言っても他県や海外からも観光に訪れる人が多い有名な観光地だ。

その日は制服ではなく私服でもいいということなので、早いけど遠足の日に何を着ようか今は考え中!