「おかえり」
麻衣が理久の胸にそのまま抱き着く。

理久は自分の胸に抱き着いてきた麻衣を、躊躇することなく抱きしめる。

「ただいま」
と嬉しそうに微笑みながら、麻衣のぬくもりをかみしめるように抱きしめ返した。

しばらく玄関で抱きしめあっていた二人。

体が冷えるからと、理久がひょいっと麻衣を抱き上げてリビングに移動する。

「なんか、いいにおいする」
理久の言葉に麻衣が、理久に抱き上げられたままキッチンの方を指さす。
「え?」
理久は麻衣を抱いたまま、キッチンに向かった。