「俺、すっごく今幸せです。事務所を独立して、本当に大変で、今までどれだけ事務所に助けてもらって、支えてもらって、歌だけに向き合えて来たかを痛感しています。本当にありがたい環境で歌わせてもらってた。これからは音楽だけじゃなく、この世界の事をもっと知りたい。この世界で、もっとやりたいことがある。お世話になっていた事務所に、大切な土台を作ってもらいました。これからも、何かがあれば助け合えるような存在になれるように、努力したと思っています。」
理久の瞳にもう迷いがない。

「彼女についていろいろな憶測の記事もうわさもありますが、俺は彼女を一番よく知っていて、誰よりも愛してます。だから、彼女を悪く言われるとすごく苦しいです。俺のわがままにさんざん付き合って、待っていてくれた彼女に申し訳なくて、心が痛みます。」
麻衣は心が、ふっと軽くなっているのを感じた。

「これから、彼女との未来を手に入れる。ずっとずっと、願って来た未来です。俺、すごく幸せで、考えただけ泣きそうなくらいうれしくて仕方ないんです。彼女との子供まで生まれる。」
画面越しに微笑む理久に。思わず麻衣も涙を流しながら微笑む。