麻衣に背中を向けて、夢に向かって旅立った時の理久の想いを初めて知った。

自分は捨てられたのだと思ってた。

理久の夢の足かせになるからと、邪魔な存在になってしまったのだと、ショックだった。一緒にいた、幸せな時間すら恨めしく思うくらいに・・・

愛おしくて、愛しすぎて、理久を憎みたかった。
いっそ憎んで忘れようとしていた。

そうできなかった自分を、理久を想い続けていたことを、麻衣は心からよかったと思った。

「彼女と再会するために、がむしゃらにできていたようなものなんです。再会して、俺は欲深くなって、夢も彼女も、手放したくなかった。俺のわがままに、寛容な彼女が俺を受け入れてくれたんです。やっと、今。」
ふっと画面越しに微笑む理久。