稜真は失いたくなかった。
麻衣という存在を。

だから、叶うはずのない思いを麻衣に伝えて、麻衣を失うことになるのなら、ずっと想いを秘めたままにしようと決めていた。

でも・・・今その麻衣がかなわない想いをあきらめて、一人で大きな試練に立ち向かおうとしている。

本当は気持ちを伝えて、自分がそばで支えると言いたい。

でも・・・麻衣がそれを望んでいないこともわかってしまう。


ならば・・・理久に真実を伝えて、麻衣が幸せになれるようにしてあげるのが自分にできることなのか・・・。いつだって葛藤していた。