仕事部屋に戻ると、麻衣が閉まっていた履歴書を見ながら何か作業をしていた。
「ただいま」
稜真が部屋に戻ったことを知ると、麻衣はすぐに履歴書を自分の机の中に戻す。

「なぁ、麻衣」
「ん?」
稜真は解消できていない想いを胸に秘めたまま麻衣を見つめる。

立っている稜真を、席に座ったまま見上げる麻衣。

「幸せか?」
「なに?突然。」

突発的な質問に麻衣が困ったように笑う。

でも、いつもは微笑み返してくれる稜真が笑わない。
真剣な、真剣すぎる表情の稜真に麻衣は微笑んだ。