■衝動(Girl's side)



「付き合ってください!」

「いいよ」

「ほ、ほんとですか?」

「愛せないけど」

「……そんな」


 掃除を終え、ごみ捨て場に向かう途中のことだった。


「私、努力します。先輩に好きになってもらえるよう。だから――」

「無駄だと思うよ」


 告白現場を目撃したわたしは、開いた口がふさがらない。


「俺が君を好きになることはない」


 告白されてる先輩が、鬼みたいな男だったからだ。


 なに、いまの。

 女の子、泣いて走っていっちゃったんだけどぉ!?


「覗き見とは。いい趣味してるね」

「へっ」

「出て来たら。そこにいるんだろ」