その間に教科書を浮かせない限り、いっしょに見るには難しい距離だ。


だったら……!


わたしは机の両角を持つと、一気に一条くんの机に引き寄せた。


ピタリとくっつく、わたしと一条くんの机。

その振動で、伏せていた一条くんが顔を上げる。


そして、すぐ隣にいるわたしと目が合う。


「…なに?」

「教科書…。いっしょに見るために」

「だから、俺はいいって言ったじゃん」