一条くんは、机の上に荒々しくカバンを置くと、さっきまで三好くんが座っていた席にドカッと腰を下ろす。


三好くんがいなくなって、また教室は元の静けさを取り戻す。


「…ねぇねぇっ。もしかして一条くん、ひらりのこと助けてくれたんじゃないの?」


彩奈が、一条くんには聞こえないくらいの声で、わたしにそっと耳打ちをする。


「…えっ?それはないよー。たまたまでしょ?」