驚いた拍子に、三好くんのメガネがずれている。


「いっ…いいい、一条…!?なんで…ここにっ」

「だから、お前が今座ってるその席…、俺のだっつってんだろ」


一条くんに見下ろされていた三好くんが、慌てて立ち上がる。

それは、今まで見たこともない速さだった。


「じゃ…じゃあ、ひらりちゃん!ま…またねっ…!」


三好くんは声を震わせながらそう言うと、あっという間に自分の教室へ戻って行った。