なんだかうれしくなってきた。


「これから隣同士だし、よろしくねっ」


こわいという第一印象もどこかへ消えて、わたしは自ら一条くんに話しかけていた。


だけど、一条くんからの返事はなし。


聞き耳を立てたら、机に顔を伏せる一条くんからわずかに寝息が聞こえてきた。


マイペースすぎて、思わず笑ってしまう。


仲よくなれるかはまだわからないけど、この席はわたしが思っていたよりも居心地は悪くはなさそうだ。