…寝てる。

あのこわいイメージの一条くんが、…こんな無防備な顔をして。


と、その美しい寝顔を眺めようとしたときには、わたしの手は一条くんの肩に触れていた。


夢現にゆっくりと開いた一条くんの目とわたしの目が、一直線に重なる。


「…なに?」


それが、一条くんがわたしに発した最初の言葉だった。


表情を見る限りでは、気持ちのいい昼寝を邪魔されて、…少し不機嫌なのかな。