「あの無愛想な一条くんだって、アイドルのひらりが隣ってわかったら、優しくしてくれるかもよ?」

「…ないないっ!絶対、そんなキャラじゃないって!」

「それは、隣になってみないとわからないんじゃない?とっとと行ったー!」


彩奈がわたしのかわりに、30番のところにわたしの名字をデカデカと書く。


隣同士に並んだ『花宮』『一条』の名前は、黒板で見る限りでは仲よさそうに寄り添って見える。