レンガ造りの小さなビル
5階建てほどだろうか?
今リカはそれもはっきりと確認が出来ないほど恐怖で周りを見渡す事が出来ない。
入口に2人座っている。
その前まで行くと2人は立ち上がり『ご苦労様です!』
その声にリカの体がビクッとなったが滝沢は何も言わずにその2人の間を通り抜けて中に入る。
入ってすぐにエレベーターと頑丈そうな鉄のドア
その鉄のドアを開けると非常階段だと解った。
下に降りてまた滝沢がドアを開けて
滝沢『入れ』
リカが先に入り滝沢があとに続く、リビングに大きなソファーが2つその間にガラステーブルがあった。
滝沢はソファーに深く座り煙草に火をつけた。
滝沢『持ってる物、このテーブルに全部出せ!』
滝沢がドスの効いた声で言うと、言われた通りリカはまだ若干震える手でテーブルの上に出した。
滝沢は真っ先にリカの携帯電話を取り電源を切りポケットに入れる。
次に財布を開けリカの免許証を取り出し睨みつける様に見る。
滝沢『リカ…』
少し間を空け
『で、お前どうする?』
滝沢は聞いた。
リカは顔は蒼白になり混乱しながら
リカ『た…助けて…ください…』
それが今リカが言える精一杯だった。
また少し間が空いて滝沢が『まだ、死にたくないか?』
リカはコクリと頷く。
冷や汗と恐怖が止まらない。
殺されないならもう何でもいい…
逃げるチャンスがあるかもしれない…
リカはそう思った。
滝沢『俺の命令には従って貰う、どんな些細なことでもだ、出来なかったときは死んで貰う。』
リカは恐る恐るゆっくりと顔を上げ滝沢の顔を見た。