璃夏は、ソファーに座り背中を反らせて天井を見上げていた。


少しだけ…私はまだ洋太を信じてた……


だけど洋太は、私がわからなかった……


回想。


璃夏『洋太。』


洋太『ちょっ、ちょっと!誰ですか?』


璃夏『私がわからないの?』




さよなら。


回想終わり。


結婚して7年、職場で知り合って9年一緒にいたのに……


顔は変わったけど、声は同じ。


浮気して、私を殺そうとした事よりも…ショックだった……


何だったのだろう…この9年……









━━━━━━4年前━━━━━━




望月ホールディングス本社



20時


洋太『もうこんな時間か、早く帰らないと!』


自分のデスクの資料を慌てて片付ける洋太。


綾『結城係長!』


そこへ、望月綾がやって来る。


望月綾は、有名私立大学を卒業して社会人1年目、望月ホールディングスの創業者一族で会長の孫であり社長の一人娘である。


洋太『あぁ、綾ちゃん。あんまり残業ダメだよ、早く帰らないと』


綾『とっくにタイムカードは押しましたよぉ。』


洋太『じゃあいいけど、社長の耳に入ったら俺がクビになっちゃうから、あはは』


綾は、洋太の部下として望月ホールディングスで働いていた。


綾『あの、結城係長。』


洋太『ん?どうしたの?』


綾『少し、結城係長に相談があって』


洋太『あぁ、そうなの?ちょっと今日さ、時間ないから明日でいいかな?』


綾『じゃあ、明日仕事終わったらご飯行きませんか?ゆっくり相談したいんで』


洋太『まぁ明日なら会議もないし、行けるかな。』


綾『じゃあ明日!お疲れ様でした!』


洋太『はい、お疲れ様!』


綾は、そのまま帰って行き洋太はバタバタと資料を片付けて慌てて会社を出る。



翌日の18時。



自分のデスクに座る洋太。


綾が、洋太の顔を横から覗き込んで


綾『結城係長、覚えてますか?』


洋太『おぉー!覚えてるよ、ちょっとさ会社の入り口で待ってて、すぐに行くから』


綾『は~い。』


綾は、先に歩いて部屋を出ていった。


洋太は、ノートパソコンを閉じてカバンを持って会社の入り口に向かう。


洋太が会社の入り口に行くと、綾が待っていたので話しかける。


洋太『綾ちゃん!ごめん待たせたね、何か食べたいものある?』


綾『お酒!』


と言って笑う。


洋太『お酒はご飯じゃないけど、まあとりあえず行こう。』


結局、駅前の居酒屋に行くことになる。


お座敷の個室がある居酒屋。


酒とつまみを食べながら話す2人。


洋太『それで?相談って言ってたけど、どうしたの?』


綾『お酒乾杯してからにしましょ』


洋太『あ、あぁ、そうだね。じゃあ乾杯!』


綾『お疲れ様で~す!』


お酒を乾杯する。


綾『結城係長。』


洋太『うん?』


綾『あたし、係長のことが好きなんです!』


洋太『は?』


綾『は?じゃなくて!好きだから付き合って下さい!』


綾は、怒鳴るような声で言った。


洋太『ちょっと!声デカいよ!』


洋太は、人差し指を口の所にやり、シィーっと言いながら言う。


綾『係長が、は?とか言うからでしょ』


洋太『いやいや、俺ね結婚してるじゃん、知ってるよね?』


綾『だから何なんですかぁ?』


洋太『あのね、もし付き合ったとしてもバレたら俺クビよ?クビ!』


綾『バレなきゃいいじゃないですか!』


洋太『そんな簡単に…』


洋太は、困った顔をしながら言う。


綾『私、けっこうモテるんですよ?フッたら後悔しますよ?』


綾は、確かにスタイルも容姿も良かった。


洋太『いや、それはわかるけどね。問題はそこじゃなくて』


綾は、お酒をどんどんおかわりしていく。


洋太『ちょっと飲みすぎじゃない?』


綾『もうフラれそうだから飲まなきゃやってらんないですよ〜!』


綾は、ジョッキを片手に急に立ちがる。


洋太『どうしたの?』


綾は、座敷のテーブルを回り込み洋太の隣に座る。


綾『さぁ!飲みましょ~係長!』


そういうと綾は、胸を洋太に押し付け顔を近ずける。


洋太の横顔を引っ付くくらい近くで見つめる綾。


洋太は、かなり困った表情をしていた。


洋太『ちょっ、ちょっと離れようか綾ちゃん。』


そう言われた綾は、洋太の股にある漢のそのものをズボンの上から触る。


洋太『ちょ!ちょっと!綾ちゃん!』


綾『あ~!係長ぉー!硬くなってるぅー』


綾は、そういうとスボンの上から洋太の漢のそのものを握る。


綾『行きましょ!係長!』


洋太『え?どこに?』


綾は洋太のに手を引っ張り伝票を持って会計に行き、さっさとお金を払って店を出た。