滝沢は、手さげバッグから瓶を取り出した。


立っているリカの前で座りこみ瓶の中身を手に取りリカの左膝の上に塗り出す。


青酸カリである。


リカは、ビクッとしたが滝沢は構わず塗る。


膝上から少しづつ上に塗り進み股の辺りまで来たとき、リカの吐息が漏れる。


そして右も同じように瓶の中身を塗っていく。


リカは自分の下が熱くなってることに気付いたが目を閉じて堪える。


塗り終わった滝沢が立ち上がり


滝沢『手を出せ。』


リカ『はい。』


と言い、滝沢に手を差し出した。


リカの、手の甲にも同じよう瓶の中身を塗る滝沢


両方の手の甲に塗り終わると、チューブ式の何かをポケットから取り出した。


滝沢が、そのチューブから透明のジェルをリカの指の第一関節までの部分10本全部に薄く塗る。


セメダインで指紋がつかない為である。


滝沢『それが乾いたら、これを耳に着けろ。』


Bluetoothのイヤホンを差し出した。


それを受け取り耳に着けるリカ


滝沢『これがそれとペアリングしてる携帯だ、自動着信になってるから取る必要はない。』


リカ『わかりました。』


滝沢『何かあれば指示を出す。はいは1回、いいえは2回Bluetoothを指で叩け。』


リカ『はい。』


滝沢『それから、今塗ったところに絶対触るな。』


リカ『わかりました。』


滝沢『行くぞ。』


と言うと個室の外に出る。


外には響が立っていて、滝沢とリカに優しく微笑む。


滝沢が響の方に行き、響の耳元で何か言うがリカには聴こえなかった。


響は、軽く会釈すると滝沢はそのまま歩いて店を出て行った。


響『ではリカさん、こちらへ』


リカ『はい。』


客を接客するソファーに行き、響はリカに座るように指示する。


響『リカさんの源氏名は、【朝桐えみり】、今日少しの間だけその名前でご辛抱ください。』


リカ『【朝桐えみり】…はい、わかりました。』


リカは、朝桐えみりと言う源氏名を心の中で復唱する。


そこからは、客への接客の仕方や言葉遣いなどをしばらく教わる。


響『それでは、えみり(リカ)さんは、しばらく先程の個室でゆっくりなさっていてください。』


リカ『はい。』


響『仕事になったら、お呼びに行きますので』


そう言うと、リカに優しく微笑み歩いて行ってしまった。


リカは、さっきの個室に入り、未だ何がどうなってるのかわからないままソファーに座る。


リカ『結局、ここで働けばいいのかな?』と呟く。


さっき滝沢がリカの太ももに何かを塗った場所を見る。


リカの下部分が熱くなったことを思い出した。


そもそも男性に触られたのも何年ぶりだろうか?


仲は悪くはないが、夫の洋太とは何年も前から求められることは無くなりレスであった。


リカ『まだ、あんなになるんだ…』


そんな事を考えているうちに、個室の外が賑やかになって来たことに気がついた。


他のホステスであろう女性たちの声が聞こえる。


リカ『そろそろお店がはじまるのね…』


リカは緊張する。


しばらくすると、個室に響が入って来た。


響『えみり(リカ)さん、おいでなさいましたのでこちらへ』


リカ『はい。』


接客場所に迎い、響の後ろを歩いてると


響『緊張なさらず、微笑んで話を聞いてるだけで大丈夫ですので、私がサポートに入ります。』


リカ『はい。よろしくお願いします。』


リカは響について接客場所に着くと、客らしき白髪の結構年配の男性がホステスと話していた。


響がその年配の男性の近くに行き


響『先生、今日入った朝桐えみりさんをお連れしました。』


響がそう言うと、年配の男性が
『おぉー!そうかそうか。えみりちゃん、ここに座りなさい!』


リカは深くお辞儀をし年配の男性のソファーに近づいて気がついた。


年配の男性は、【大野勇】元総理である。