目が覚めて、特別やることもなくリカの唯一の居場所、で座っている。


滝沢はソファーに座っている。


昼過ぎ、滝沢の携帯が鳴る。


滝沢『はい…』


滝沢『さすが、政界の若きエース仕事が早いな』


電話の相手が、環境大臣の大野勇次郎だとすぐにわかった。


滝沢『…いや、それは急ぎでな、すぐにでも欲しい、こっちから取りに行かせる。』


滝沢『で、ソイツは誰だ?』


しばらく相槌をうち相手の話を聞いていた。


滝沢『……なるほどな…』


滝沢『問題ない…さすがだな。』

しばらく受け取り場所や方法などをやり取りした後


滝沢『あぁ…わかった…こっちも今夜終わらせる。』


すぐに滝沢は誰かに電話をし、先程の受け取り場所と受け取り方法などを伝える。


そしてまた別のところに電話をかける。


滝沢『仕事だ、今夜行く…用意しとけ。』


それだけ言うと電話を切る。


━━━2時間後━━━


コンコン!


ドアをノックする音。


滝沢『入れ。』


小里『失礼します!』


そういうと小里が入ってくる。


滝沢は小里を見て、何かを受け取る手をしてその手を小里の方へと伸ばす。


小里は急いでその手の上に置いた。


リカのところからでは何かまではわからない。


その何かを滝沢は睨むように見ている。


リカは、『カード?』


とにかく、勇次郎から受け取った物だろう。


滝沢は小里の方を向いて頷いた。


小里『では、これで』


そう言うと、部屋から出て行った。


滝沢『リカ!』


リカ『!?』


リカは、大きい目を更に大きくしてびっくりしながらも
『は、はい!』と返事をする。


滝沢『支度しろ、行くぞ』


リカ『あ、はい…』


支度と言っても化粧も持っていないリカは、服を着替えるだけなのですぐに終わった。


滝沢は支度が終わったリカに
『行くぞ。』とだけ言うと部屋をあとにする。


リカも滝沢のあとに続き部屋を出て行く。


滝沢と出会ったあの日に乗った黒のピックアップトラックに乗りしばらく走る。


滝沢『お前、水商売した事は?』


リカ『大学生の頃に少しだけですが、やったことがあります。』


滝沢『…。』


なぜ今そんな事を?とリカは思った。


繁華街の高層ビルの地下駐車場に車を停める。


滝沢『着いたぞ』


そう言われてリカは車から降りる。


エレベーターに乗り7階で降りると、高級クラブに着いた。


室内は大きく円形のフロアで、真ん中にかなりの大きさのシャンデリアがある。


クラブに来たことがないリカでもかなり高級な一流クラブだと一目でわかった。