「うん!ありがと、千恵。」

そう言って白川くんの隣へ戻った。

「なあ。あんたってさ、アイツのこと好きなのか?」


と前原くんが真面目な顔で聞いてくる。

「なにいってるの?好きよ、大好きに決まってるわ。でもね、そーゆー好きじゃないのよ。
家族みたいなかんじ。笑顔でいられるようにしてあげたいんだ。︺」


そうそう。ちっさい頃から一緒にいて
一度もドキドキしたことないし、そんな雰囲気にすらならない。
ただ、大事な弟が旅立とうとしている。

そんな感覚に、寂しさを覚えた。