そう言って、先生は攻撃魔法をクラル様に向かって放つ。僕は、クラル様に向かって手を伸ばした。

「……っ!」

クラル様の目の前に僕の杖を持った八咫烏が現れて、器用に攻撃魔法を弾く。

「……そうか……防壁を張って……」

すべての攻撃魔法を弾いた後、八咫烏は僕の目の前に来た。

「……八咫烏。どういうつもりだ?」

『……主人、クラル様……ついに魔王たちが動き始めました』

「……本当に、あいつらは何を考えてるんだ……」

呆れた顔をしたクラル様は、そう呟いてため息をつく。

「……ルーチェ、行くよ」

「どこへですか?」

クラル様は、開いた窓に手をかけると僕の方を向いた。

「決まってるでしょ?魔王軍を止めに行く」

「……はぁ?魔王が、魔王を止めに行く……だと?」

クラル様の言葉に、しばらく黙ってたクラスメイトの1人が口を開く。クラル様は、皆の方を向いた。

「……魔王が、魔王を止めたら駄目?僕はね。守りたいんだ……この世界を」

「一体、何で……」

「大好きだから。それ以外に、理由なんている?」

クラル様は、そう言って優しく微笑んだ。

「…………クラル。わしらもお主に協力したい」

後ろから声がして振り返ると、後ろには校長先生が立ってる。